第3次調査データセット
概要
全国環境研協議会(全環研)・酸性雨調査研究部会では、1991年(平成3年)以来、3度にわたる全国調査を行ってきており、日本全体の酸性雨の概況を広域的な形で初めて示すなどの成果を収めてきました。1999年度から2001年度にかけた第3次調査では湿性沈着と乾性沈看それぞれについて効率よく評価するための科学的手法を確立し湿性と乾性に分けて全国の地域評価を行えるめどをつけることができた、という大きな成果が得られています。
環境省は酸性雨モニタリングに関する国と地方自治体どのすみわけを明確化させるとともに、全環研など自治体データの活用方法ならびに国設局データとの関係を明確にしました。
さらに、酸性雨標準試料の配布範囲を拡大するなどして自治体の対処能力を向上させるための方策を示しています。この中で、いっそう全環研を 中心とした自治体データの重要性が浮き彫りになっています。
本データセットは1999年度(平成11年度)から2001年度(平成13年度)の3カ年に行われた第3次調査の調査研究成果のまとめを全国環境研協議会より提供していただき本ホームページより公開するものです。
公開データおよび資料はダウンロード版のみです。ユーザーの方は必要箇所を各自でダウンロードの上ご利用ください。
本データを使用して論文等を公表される場合は、全環研会誌の該当年度報告書(提供データのページより報告書部分のみのPDFファイルをダウンロードできます)を引用していただくとともに、URL(http://db.cger.nies.go.jp/dataset/acidrain/ja/03/)を記載してください。
調査目的
1999年度〜2001年度の3年間、第3次調査として、これまで十分に評価できていなかった乾性沈着に関する情報を得るため、湿性沈着と乾性沈着を個別に調査しました。
【調査I】 酸性成分の湿性沈着に関する空間分布把握のための調査研究:国際的に標準的な方法によりモニタリングを行い、国内における湿性沈着成分に関して量的な空間分布を把握することを目的としました。
【調査II】 大気中のガス/エアロゾル濃度の測定により乾性沈着分量の見積もりを行い、日本国内における乾性沈着成分に関して量的な空間分布を得ることを目的としました。
採取分析方法等
調査期間および調査実施時期
- 【調査I】 46機関延べ52地点
- 降水時開放型捕集装置による通年調査。1週間単位で採取することを原則とし、調査地点が遠隔地や山間部で採取期間が2週間或いはそれ以上の場合、冷蔵庫月捕集装置の使用が推奨されています。測定項目と測定方法は表に示す通りです。最終的なデータは予め定めた4週ないし5週(詳しくは報告書参照)分をまとめて月データとして報告しています。
- 【調査II】 28機関29地点
- 調査Ⅰ同様通年調査とし、1週間単位を原則。最終的なデータは予め定めた4週ないし5週(詳しくは報告書参照)分をまとめて月データとして報告しています。
分析項目とその方法
項目 | 測定方法 | 単位 |
---|---|---|
pH | ガラス電極法 | - |
EC | 電気伝導率計 | mS/m |
SO42− | IC法 | µmol/l |
NO3− | IC法 | µmol/l |
Cl− | IC法 | µmol/l |
NH4+ | IC法, インドフェノール法 | µmol/l |
K+ | IC法, 原子吸光法, ICP法 | µmol/l |
Ca2+ | IC法, 原子吸光法, ICP法 | µmol/l |
Mg2+ | IC法, 原子吸光法, ICP法 | µmol/l |
降水量 | 貯水量を捕集面積で除す | mm |
- IC法:イオンクロマトグラフ法
- ICP法:誘導結合型プラズマ発光分析法