1974年の国立環境研究所(当時、国立公害研究所)の発足後まもなく、霞ヶ浦(西浦)が着目され、1976年に水質汚濁や富栄養化などに関する総合的な調査・研究がはじまりました。本モニタリングの黎明期においては、こうしたプロジェクト研究の中で、水質や生物の調査が続けられてきました。
1996年には、国連の実施するGEMS/Water事業と称される国際水質監視ネットワークのトレンドステーションに位置づけられました。さらに、日本長期生態学研究ネットワーク(JaLTER;Japan Long-Term Ecological Research Network)のコアサイトにも登録され、霞ヶ浦長期モニタリングは国内外の湖沼観測ネットワークにおいて重要な役割を担うようになりました。
2011年からは、 地球システム領域に代わり、生物多様性領域が実施主体となり、地域環境保全領域とともに、モニタリングを続けています。現在、毎月10ヶ所をまわる全域調査と、隔月1ヶ所で行なう魚類調査の2つの定期観測を実施しています。これらの定期調査に加えて、新規モニタリング手法の開発、長期的な水質や生物群集の動態やそれに関わる要因分析など様々な湖沼研究を進めています。同時に、アウトリーチ活動にも積極的に取り組んでいます。
2016年、モニタリングを開始してから実に40年となりました。本データベースでは、これまでに蓄積されてきた膨大なデータを整理し、公開しています。今後、新しい観測データを追加するなどして、データベースの拡充も図っていきます。
本データが様々なかたちで広く活用され、霞ヶ浦の水環境・生態系保全、ひいては湖沼の水質や生物多様性・生態系の研究に取り組む方々に有用な一助を与えることができれば幸いです。