成層圏極渦予測


用語解説

極渦 (きょくうず)

極域の成層圏で晩秋から春にかけて発生する強い西風 (極夜ジェット) に囲まれた巨大な低気圧性の渦で、オゾン層破壊の場となることが知られており、北半球においては南半球と異なり中緯度地帯までその影響を及ぼすことがあります。

渦位 (うずい)

極渦の縁には強い西風 (極夜ジェット) が吹いていますが、その内側(極渦の内部)では渦位という物理量が外側に比べてはるかに大きな値になります。つまり、極夜ジェットの付近で渦位の勾配が最大になる訳です。また、渦位は通常の(断熱的)輸送では変化しないので、渦位の高い空気塊は極域の空気と考えることができます。

温位 (おんい)

成層圏ではしばしば高度を「温位」という量で表します。たとえば、「高度約19kmの温位が475Kである」ということは、「約19kmの高度を飛んでいる飛行機が、外の空気を吸い込んで、1気圧に圧縮して機内にそのまま入れたら 475K(摂氏202度)になる。」ことに対応します(強力なエアコンが必要ですね)。つまり、空気を地表面まで強制的に下降させて断熱圧縮した時の気温上昇の程度で、空気があった場所の高度を表している訳です。ですから、温位が高い程、高度が高いことになります。

STRAS (STratospheric Research Assisting System)

気象庁等の客観解析気象データをワークステーションによって迅速に処理し、高層天気図や渦位分布図、トラジェクトリー計算結果を対話的に表示するソフトウェアシステムで、地球環境研究センターが実施する成層圏オゾン層モニタリングプロジェクトで開発しました。

NCEP (National Centers for Environmental Prediction)

米国環境予測センター。