2004年9月の台風により、道内各地の森林で大規模な風倒被害が引き起こされました(被害面積:全道で37000ha)。台風による大規模な撹乱は林内環境や植生に大きな変化を与え、生態系の炭素循環を変化させることが予測されます。苫小牧観測サイトでも約90%の風倒壊被害を受け、従来の観測は継続できなくなりましたが、現在は、植生回復過程における炭素収支の変化とそのメカニズムを解明するため、北海道森林管理局との共同事業体制を基盤に、北海道大学(大学院農学研究院)と協力して、CO2・水蒸気・エネルギーフラックスの観測を継続しています。風倒被害後、冬期の観測はされていませんでしたが、2012年にはタワーがたてられ、2015年以降、通年での観測を行っています。
所在地 | 北海道苫小牧市苫小牧国有林1196~1198林班
(胆振東部森林管理署苫小牧森林事務所管内) 緯度経度: 42º 44' 13.1" N,141º 31' 7.1" E 標高 : 115~140m |
土地 | 斜度 : 1~2度
土質: 火山性 regosol |
森林 | 優占種: エゾイチゴ,オオアワダチソウ,シラカンバ |
年平均気温 | 6.5℃ (2003-2005年平均) |
年間降水量 | 1055mm (2003-2005年平均) |
年積算全天日射量 | 4199MJm-2 (2003-2005年平均) |
観測タワー | 高さ約12m(CO2,顕熱,潜熱フラックスおよび気象観測用) |
自動開閉型チャンバーシステム | CO2フラックス観測用(植生,土壌,根株) |
測定 | 項目 | 数量 | 場所・観測高度 (m) | 渦相関法 | 3成分風向・風速 | 1 | 6m |
CO2/H2O濃度変動(オープンパス) | 1 | 6m | |
土壌呼吸 | 自動開閉式大型チャンバーシステム | 18 | 林床 |
気象 | 全天日射 | 1 | 11.2m |
反射日射 | 1 | 11.2m | |
上向き長波放射 | 1 | 11.2m | |
上向き長波放射 | 1 | 11.2m | |
下向き光合成有効放射 | 1 | 11.2m | |
上向き光合成有効放射 | 1 | 11.2m | |
風向・風速 | 1 | 12m | |
気温・湿度 | 2 | 1.5m, 6.2 m | |
降水量 | 1 | 1.5m | |
気圧 | 1 | 1.4 m | |
地温 | 20 | 1, 3, 6, 15, 50 cm * 4 地点 | |
土壌水分量 | 20 | 1~5 cm | |
地中熱流量 | 4 | 6cm | |
植生調査 | 種ごとのバイオマス(地上部,地下部)・葉面積指数(LAI) |