トレンド解析

時系列データの長周期トレンドを計算します。解析結果は、トレンドを表す数式の係数またはグラフとして出力されます。

利用方法

  • 変数の日平均値をフォームに貼り付けて解析を行います。データの各行には、年、月、日、変数の値を含める必要があります。データの各カラムは1つ以上のスペースで区切ってください。データのフォーマットは、波照間ステーションにおけるCO2の日平均値の例を参考にしてください。
  • データの時系列は連続である必要はありませんが、古いものから新しい順に並べる必要があります。欠測値は使用しないでください。
  • カットオフ周波数のデフォルト値は、短周期変動を取り除くために Thoning et al. (1989) で使用された7.3 (cycles/year)(=50日周期)としています。年変動を求める場合は、小さな値(例:0.5)を使用してください。
  • 提出されたデータが多すぎると、サーバーがリクエストを拒否することがあります。

導出方法

トレンド解析では、時系列データの短周期変化を取り除くためにFFT(高速フーリエ変換)に振動数の減衰を変調するThoningの指数関数的周期フィルタ \(H(f)\)(Thoning et al. [J. Geophys. Res., 1989, 94(6):8549-8565] )を用います。 $$ H(f) = \exp(-c \ast { (f/f_{c}) }^p) $$ \(f_{c}\) はカットオフ周波数(cycles/year)、\(c=ln(2)\) は \(f=f_{c}\) かつ \(p=4.0\) の時に \(H(f)=0.5\) となるための規格化係数です。

FFTを行うには等間隔でギャップのない時系列データが必要です。CO2の時系列データにはほとんどの場合、長期トレンドと欠測によるギャップがあります。長期トレンドを取り除き、ギャップを埋めるために、以下の式でフィッティングを行います。

$$ y = a + b \ast x + c_{1} \ast \cos(x) + d_{1} \ast \sin(x) + c_{2} \ast \cos(2x) + d_{2} \ast \sin(2x) $$

さらに、データの両端によるエイリアスの影響を抑えるために、最初と最後の年のデータをそれぞれ最初と最後に追加しています。

これらの処理で得られた結果が、温室効果ガスの長期的および季節的な成長率の変動を推定するために使用されます。