紫外線の種類
100ナノメートルから400ナノメートル(1nm:10億分の1m)の波長の光を紫外線と呼びます。
紫外線は波長によって3種類に分類され、波長の長い方からA領域紫外線(UV-A)、B領域紫外線(UV-B)、C領域紫外線(UV-C)となります。
それぞれ、以下のような性質を持っています。
- UV-A(波長 315〜400nm)
- 到達度:地表まで到達
- 生物影響:UV-Bほど有害ではないが、長期間曝露された場合の健康影響が懸念される
- UV-B(波長 280〜315nm)
- 到達度:ほとんどは成層圏オゾン層などに吸収されるが、一部は地表へ到達
- 生物影響:皮膚や眼に非常に有害、日焼けを起こしたり皮膚がんの原因になり、一般に有害紫外線と呼ばれる
- UV-C(波長 100〜280nm)
- 到達度:大気や成層圏オゾン層に吸収されて、地表には到達しない
- 生物影響:非常に有害
紫外線の測り方と強さ
有害紫外線モニタリングネットワークでは、帯域型B領域紫外線計(MS-210Wまたは、MS-212W)を用いて、
青色の曲線で囲まれた部分の光(エネルギー)強度を測っています。
また、これとは別に、紫外線強度を波長別に精密に測れる分光光度計*を使った紫外線強度の観測も行われています。
(*:気象庁では国内4地点(札幌、つくば、鹿児島、那覇)で、Brewer分光光度計を使って、主にUV-B強度を波長別に測っています。
Brewer社が開発した型の分光光度計をBrewer型分光光度計と呼んでいます。)
ところで、紫外線強度の表示法には、UV-A、UV-B、UV-Cと波長で分類するものとは別に、紫外線の生物に対する影響を考慮したものもあります。
その代表的なものとしてCIE**紫外線強度があります。(**:国際照明委員会)
図1 分光光度計で測定した紫外線強度
一般に使われているUV-B強度は、分光光度計で測定した280nmから 315nmまでの紫外線を単純に積算した値(図1)です。
これに対してCIE紫外線強度は人の皮膚に紅斑(赤い日焼け)を引き起こす作用曲線で重み付けした紫外線量(図2)です。
従って、CIE紫外線強度の方が、人の健康への影響の強さを的確に反映していると言えます
290nm〜400nmの範囲のCIE紫外線強度を40倍して指標化したものがUVインデックスで、国際的に広く用いられている指標です。
帯域型B領域紫外線計の場合、MS-210W型では図3のような感度曲線を持っており、そこで測定された紫外線強度は黄色で塗りつぶした部分になります。
帯域型UV-B紫外線強度から、CIE紫外線強度へは「UVインデックスの求め方」に述べたような方法で換算できます。
[UVインデックスの求め方 のページへ]
図2 CIE作用曲線で重みづけしたCIE紫外線強度
図3 帯域型紫外線計MS-210Wで測定した紫外線強度