観測方法(観測システム)

両ステーションで稼動している観測システムはすべて自動化され、高精度・無人・連続観測が行われています。観測システムは、担当研究者自らが創意工夫し、独自のシステムを開発しました。これらのシステムは最新技術を導入しながら、高精度観測が安定して実施できるよう更新されています。

例として、二酸化炭素濃度観測システムを図に示します。このシステムでは、非分散型赤外吸収方式(NDIR)の検出器を採用しているために、二酸化炭素と似た赤外線吸収帯を有する水蒸気をしっかり除去できるのかがポイントのひとつとなります。そのために、2段階の除湿装置(-45℃、-65℃)を検出器の前段に設置し、大気中の水蒸気を段階的に除去しています。-45℃、-65℃の除湿装置は、複数の流路を持ち、一定の時間間隔で自動切り替えを行うことにより、流路のつまりを防ぎ、連続無人観測を可能としています。検出器ドリフトを回避するために、4本の標準ガスを用い、一定の周期で絶えず校正しながら自動測定を行っています。得られたデータは、専用回線を通してつくばに送られ速報値が表示されます。

自動観測システム概要図
図 自動観測システム概要図