熱帯林の持続的管理の最適化に関する研究(1999年度~2001年度)

森林の公益機能の環境経済的評価手法開発に関する研究


研究内容・成果

熱帯林の社会的評価の経済価値をとらえることを目的としてマレーシアにおいてコンジョイント分析を行った。コンジョイント分析は、1960年代に計量心理学、マーケティングリサーチの分野で開発された表明選好法で、新製品の需要、コンセプト開発、製品属性決定に利用されている調査手法である。本調査では、マレーシアの 国土利用に関して、「保護林面積」、「生産林面積」、「農地面積」、「国土利用プログラム履行に使用する追加税金」 の4属性とそれらの水準が明記された、調査の際には現状と、国土の利用例プロファイルを2つ示し、最も好ましいと思われるものを 1つだけ選択してもらう手法を採用した。現状との比較が可能となるよう、各プロファイルの属性には現状に対する面積の増減率を表示した。税金は世帯に対する新しい特別税であり、1度だけ課税されるものとした。 国土利用への意向に関して 今後の増減の意向を聞いたところ「強く増加を望む」の回答は、保護林で19.8%、農地は17.8%だったのに対し、 生産林では5.0%で、「強く増加を望む」と「増加が望ましい」の回答を合わせても増加意向は26.8%にとどまった。逆に生産林では「減少が望ましい」の38.6%が「増加すべき」と「増加が望ましい」を足し合わせた増加意向を10ポイント以上上回っており、回答者が生産林に対してネガティブな印象を持っていることがうかがえた。

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