逆解析システムNISMON-CO2による長期全球CO2フラックスデータ
逆解析システムNISMON-CO2により推定された全球のCO2フラックスデータ。地球表面におけるCO2フラックスの時空間変動が、大気CO2濃度観測データで拘束されている。解析フラックス(事後フラックス)は大気輸送モデルNICAM-TMと結合した4次元変分法による最適化計算によって得られたものである。季節変化のみならず長期変動も評価できるよう、長期の解析期間となっている。
概要
作成者 |
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データ公開日 | 2020/11/27 |
データ提供期間 | 1990/01/01 - 2022/12/31 |
データ提供機関 |
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DOI | 10.17595/20201127.001 |
ファイル形式 | netCDF |
データ容量 | 8.16 GB |
バージョン | ver.2023.1 (最終更新日: 2023/12/19) |
データセットの言語 | 英語 |
このデータを利用した論文 |
Mahalo Buttonについて
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データセット
項目 | 地表面CO2フラックス |
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ドメイン | グローバル |
時間分解能 | 1ヶ月 |
空間分解能 | 1.0 X 1.0 度(計算に使用したモデルの格子間隔:約223km) |
計算方法 |
[ver.2023.1] 最適化計算はBFGSベースの準ニュートン法を用いた(Fujii, 2005; Niwa, Fujii et al., 2017)。NICAM-TMの計算は空間解像度glevel-5 (平均グリッド間隔は約223km)で行った。逆解析では初期推定値からの偏差について最適化を行っている。ここで、化石燃料起源の排出(GCP-GridFED: Jones et al. 2021)は固定し、残りのフラックスの要素を最適化の対象とした。GCP-GridFEDはバージョン2023.1を用いた。具体的には、GPP (総一次生産), RE (呼吸), 森林火災のフラックスに対する係数(月毎)を最適化し、一方で海洋については、長期の正味フラックスに対して適用された年毎の係数を最適化した。初期値として、GPP, RE, LUCのフラックスにはVISIT (Ito and Inatomi, 2012; Ito, 2019)、森林火災のフラックスにはGFEDv4.1s (van der Werf et al., 2017)を用いた。一方、海洋フラックスには気象庁のデータ (Iida et al., 2015, 2021)を用いた。逆解析のスピンアップ・スピンダウンの影響が入らないよう、解析対象期間の1年前から3ヶ月後までを含む期間について計算を行った。また、大気輸送モデルのグリッドではなく、1度x1度の緯度経度グリッド上でフラックスの最適化を行った。 |
キーワード |
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更新履歴 |
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貢献者
モデル開発 |
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観測データ(ver.2023.1) |
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初期フラックスデータ |
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謝辞
謝辞 | 逆解析に用いた大気CO2濃度の観測データは、obspack_co2_1_GLOBALVIEWplus_v8.0_2022-08-27 (Shuldt, et al., 2022, doi: 10.25925/20220808), obspack_co2_1_NRT_v8.2_2023-06-13 (Shuldt, et al., 2023, doi:10.25925/20230601)に収納されているオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)、カナダ環境・気候変動省(ECCC)、スイス連邦材料試験研究所(Empa)、フィンランド気象研究所(FMI)、ブラジルエネルギー原子力研究所(IPEN)、気象庁(JMA)、フランス気候環境科学研究所(LSCE), アメリカ大気研究センター(NCAR), 国立環境研究所(NIES)、ノルウェー大気研究所(NILU)、ニュージーランド国立大気水圏研究所(NIWA)、アメリカ海洋大気庁(NOAA)、スクリプス海洋研究所(SIO)、東北大学(TU)、国立極地研究所(NIPR)のデータを用いました。さらに、国立環境研究所(NIES)の観測データ(NIES GEDより公開)を用いました。なお、LSCEの観測データは"French monitoring network SNO-ICOS-France-Atmosphere"により得られたものです。また、ユングフラウヨッホにおけるEmpaの観測データは、"The Swiss National Air Pollution Monitoring Network and the Integrated Carbon Observation System (ICOS)"の一環として、 "The Swiss Federal Office for the Environment and ICOS Switzerland"より支援を受けています。本研究で用いた逆解析システムは環境省・(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費(JPMEERF21S20810)の支援を受けて開発されました。また、逆解析システムのベースとなっている大気モデルNICAMは東京大学、海洋研究開発機構、理化学研究所、国立環境研究所のグループによって開発されています。本プロダクト生成のためのモデルシミュレーションは国立環境研究所および気象研究所のスーパーコンピュータ(NEC SX-Aurora TSUBASA, FUJITSU PRIMERGY CX2550M5)を利用して行いました。 |
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参考情報
補足資料 | |
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参考文献 |
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